このたび,平成29年度の受賞者が以下のとおり決定しましたので,お知らせします。

受賞科目

アクティブ・ラーニングを活用した授業

受賞科目
コミュニケーション開発1
担当教員
全学教育・学生支援機構 RUCYNSKI JOHN EDWARD 准教授
選考理由

 この科目は,講義で使用するパワーポイントに写真などのビジュアル資料が多く取り入れられており,授業において学生に内容を伝える工夫がみられるとともに,シラバスによる授業への心構えや,十分な事前情報の提供,明確な目的の設定といったファシリテーターとしてのリードの仕方が,参考になります。また,学生が興味を持ちやすい社会問題を取り上げるなど,身近な例から解決を迫られているグローバルな問題について考えさせ,社会的・批判的思考力を養うことができる内容となっており,主体的な学びや,討論・発表が取り入れられたすばらしい授業であると言えます。
 これらの点から,アクティブ・ラーニングを活用した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 アクティブ・ラーニングを活用した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

I am very pleased to receive this reward, especially considering it was for the course of mine in which students were especially tasked with taking responsibility for their own learning. In order to become true global citizens, our students need to develop their ability to communicate actively and openly in English. In this course, students developed their communicative competence by acting as discussion leader on a variety of themes connected with contemporary Japanese society. There were two main purposes for this approach. First, students are more engaged in discussions when specific topics are decided by their peers rather than just given by the teacher. Students were thus responsible for researching, presenting, and leading discussions based on issues of particular interest or concern to them. Second, being a global citizen involves not only knowledge of foreign cultures, but also the ability to critically analyze and explain one’s own culture in English. By researching social issues currently facing Japanese society, students could consider the importance of local culture in addressing global issues.

SDGsに関連した授業

受賞科目
瀬戸内の自然環境・地域の産業1
担当教員
社会文化科学研究科 田口 雅弘 教授
選考理由

 この科目は,授業の組み立てからSDGsを意識した授業となっており,授業の内容・手法ともに高く評価できます。また,環境問題の取り組みの実態が学生によく伝わるフィールドワークを取り入れることで深い理解を得ることができ,Activityの高い学生に適した授業であると言えます。履修対象者がグローバル人材育成コース及びキャンパス・アジアの学生と限られていますが,地域性と国際性の両立に成功しており,全学への開放を期待したい授業です。
 これらの点から,SDGsに関連した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 SDGsに関連した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

taguchi 

 この度は,地道に続けてきた授業をティーチング・アワードという形で評価していただき,大変光栄に思います。この授業は,もともと日中韓キャンンパス・アジアのために開発し,その後グローバル人材育成特別コースの授業として実施してきました。その特徴は,自然・社会環境教育の宝庫である瀬戸内をフィールドに,経済発展と公害,温暖化と生態系の変化,少子化とコミュニティの持続的発展などの問題を,現地で専門家・生活者の話を聞きながら学ぶことです。授業では,留学生と日本人学生を混ぜた数グループに分け,各国の社会問題と比較しながら議論させるアクティブラーニングを取り入れています。また,多言語(英中韓日)で討論,プレゼンをさせます。多国籍・多言語のグループ討論で,議論をいかにまとめるかは学生の力量が問われます。この授業は,地域の組織,住民,大学職員のご協力なしには実施できません。皆様に深く御礼申し上げます。

外国語を使った授業

受賞科目
言語の起源と進化論1,言語の起源と進化論2
担当教員
社会文化科学研究科 田中 秀和 准教授
選考理由

 この科目は,言語の起源を人の進化のプロセスの中に位置づけるという高度かつ興味深い試みが,多くの写真やわかりやすい図を用いてなされており,担当教員の専門性に根ざした教育国際化の試みとなっています。英語だけでなく日本語をバランスよく使用している点や,英語の説明も簡潔明瞭である点,講義で使用するパワーポイントにはビジュアル資料を用いて英語の文字情報を最小限としている点など,理系・文系を問わず留学生を含めた多くの学生が参加しやすい授業であったと思われ,大人数講義の教授法としても参考になる授業です。
 これらの点から,外国語を使った授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 外国語を使った授業の受賞科目と決定いたしました。

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tanaka

 この度は栄えある賞をいただき,私には余るほどの栄誉だと思っております。外国語を使った授業部門ということで,当該の授業は日本語と英語の双方で行いました。2014年に20年以上に渡る英語圏の大学での院生・教員活動を終えて岡山大学に勤め始めました。海外の大学の授業の長所は積極的に取り入れ,大教室でも学生が座って話を聞いているだけ,ということのないように気をつけています。具体的には小グループでのディスカッション,ディスカッションのための問題が何なのかきちんと把握させる,巡回して学生同士の話し合いに参加する,などの工夫をしています。昨今はactive learningという言葉が旋風を巻き起こしていますが,そもそもlearningにpassiveはない,全てactiveなものだ,という前提で授業しています。学生には自分で考えることを学んで欲しいと思っています。

 

全学的に広めるべき優れた教育を行っている授業

受賞科目
看護学概論-人と健康をつなぐ科学-
担当教員
保健学研究科 深井 喜代子 教授
選考理由

 この科目は,文字による解説とわかりやすい図解や写真がバランスよく配置されていることから,看護学について興味を持って楽しく学ぶことができ,かつ看護学の基礎から実践情報まで幅広い知識が習得できる授業であり,学生が修得すべき教養教育科目であると言えます。また,大人数講義であるにも関わらず,単なる座学にとどまることなくコミュニケーション技法や看護の実践について体験する機会が多く設けられており,まさに理論と実践とを架橋する素晴らしい授業です。
 これらの点から,全学に広めるべき優れた教育を行っている授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 全学に広めるべき優れた教育を行っている授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

fukai

 このたび,当方担当の講義「看護学概論-人と健康をつなぐ科学」にティーチング・アワードを賜りましたこと,大変光栄に存じます。教養科目では,履修学生の大半が専門外の学問に触れるわけで,皆が満足する講義を展開するのは容易なことではありません。ですから,今回の受賞は「看護学」が魅力的な学問であることの証明になったかもしれません。実は私はかつて神経生理学者だったのですが,三十路を過ぎて看護学を学び,看護職も経験して現在に至ります。今振り返ると,看護から受けた恩恵は甚大でした。人間が好きになり,物事をより広く深く考えられるようになったのです。そして教職に復帰してからは,若い人たちが社会に出る前に看護学の入口だけでも学んでおくことは,人生にとって有益なことだと思うに至りました。そうした経緯もあって,微力ながら,この講義を担当させていただいたのです。本講義を通して,看護学が「健康生活,人同志の繋がり,‘よく’生き抜くことを追究する人間科学」であることを学生諸君にいくらかでも伝えることができたなら幸いです。

 

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