このたび,令和元年度の受賞者が以下のとおり決定しましたので,お知らせします。

受賞科目

アクティブ・ラーニングを活用した授業

受賞科目
岡山市の魅力を世界に伝える活動
担当教員
地域総合研究センター 前田 芳男 教授
選考理由

 この科目は,フィールドワークを用いて,取材の企画から実施,成果物の作成までを学生主体で行い,かつ教員からの丁寧なフィードバックを実施することで,実践知教育のあるべき姿を確立しています。

 また, 一連の活動を通じて,学生は社会人として必要な態度等も同時に学習することができる優れた授業であると言えます。

 これらの点から,アクティブ・ラーニングを活用した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 アクティブ・ラーニングを活用した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 受講学生の推薦により「アクティブ・ラーニングを活用した授業」部門でアワードをいただけたことを,嬉しく誇らしく思います。私は,これまで実践型社会連携科目の開発に携わってきましたが,その中で常に,学生がアクティブに,人や物に触れて学び,少しなりとも地域社会への貢献を実感できる授業づくりに腐心してきました。アクティブとは,グループ討論といった形だけの問題ではなく,それに臨む学生の態度が真に能動的であることが大事です。そして,そのためには個々の学生が社会参画の意識を持ち,岡大生としてのプライドを自覚するような仕掛けをすることが肝要だと思っています。受賞した授業では,学生が,岡山で活躍する人を取材し,相手の魅力を伝える文章を書き,その出来栄えをよくするためのピアレビューを繰り返しました。岡大生特有のまじめさに助けられ,教員がいなくても授業が成り立つのではないかと思えるほどアクティブで楽しい授業でした。

 

SDGsに関連した授業

受賞科目
コミュニケーション開発1
担当教員
全学教育・学生支援機構 RUCYNSKI JOHN EDWARD 准教授
選考理由

 この科目は,学生がディスカッションのテーマを主体的に選択できるよう,教員が様々な形で例を示すことにより,学生の学習効果を高めることに成功している,テーマ指向型外国語教育の先進例となる授業です。

 また,SDGsの観点においては,テーマとして世界共通の様々な社会問題に焦点をあてており,異分野のみならず,異社会,異文化の視点や見識を深められ,「グローバル実践人」の養成に適した授業構成となっております。

 これらの点から,SDGsに関連した授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 SDGsに関連した授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 At the university level, English language courses should involve more than just passively memorizing vocabulary and grammar rules. Students have reached the stage where English is a tool for them to actively communicate as young global citizens. One example of this is using CLIL (Content and Language Integrated Learning) courses as a method for increasing awareness about the Sustainable Development Goals. In the course Healthy & Sustainable Societies / Communication Development, learners are tasked with being a discussion leader several times throughout the course. For each of these discussions, they need to choose at least one SDG that is connected with a respective social issue. They then need to: 1) research the topic independently, 2) summarize their research for their classmates, and 3) lead a discussion based on the independent research and respective social issue and SDG. Through these discussions, learners increase their awareness of the SDGs and also learn that they are not issues that occur only in developing countries, but issues and problems that all societies face.

外国語を使った授業

受賞科目
Cross-Cultural Experiences
担当教員
グローバル人材育成院(GDP) 鄭 幸子 准教授
選考理由

 この科目では,Moodleのフォーラムを活用した反転授業が行われており,学生が授業前にMoodleで質問や疑問点を書き込むことで,学びの動機付けを図り,理解度を把握し,質問や疑問点に回答できるよう準備した上で授業展開を考えるなど,分野を問わず本学の教員が取り組みやすい手法が用いられています。

 また,多国籍の学生が履修しており,毎回違う学生と隣り合うようにするなど,様々な文化背景を持つ学生たちと知り合う工夫がされており,異文化理解への実践的アプローチとしても優れています。

 これらの点から,外国語を使った授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 外国語を使った授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 推薦や選考に関わった皆様,栄えある賞をありがとうございます。学生からの推薦もあったと知り喜びもひとしおです。

 学士(学術)を取得できるグローバル・ディスカバリー・プログラム (GDP)では,国内入試と国際入試があり4月と10月の年2回,新入生が入学します。英語で教養から専門まで学ぶこともできるので,留学生や日本で育った外国籍を持つ人,国内外で学んだ日本人など,在学生がゆかりを持つ国は30を超えます。多様な人と共存するには,各自が自分の持つ無意識のバイアスに気づき,予期しなかった状況に対応できる柔軟性や自分の「常識」が通用するとは限らない異文化の尊重が求められます。共存力は世界で益々必要とされ日常生活での実践も不可欠です。多様な民族,文化,言語,宗教,階層など,背景も価値観も様々な人たちが共生できる異文化理解を目指した文化人類学の授業が受賞できたことを大変嬉しく思います。

全学的に広めるべき優れた教育を行っている授業

受賞科目
英語(ライティング)‐1
担当教員
中川 祐子 非常勤講師
選考理由

 この科目は学生の評価が非常に高く,学生の積極的参加を創出している授業です。

 また,学生同士のピア評価,チェーンレター,リレー形式の物語作成等による授業手法によって,学生の協働学習を促進するとともに,学生の興味・関心,学習効果を高める工夫が随所になされています。

 これらの点から,全学に広めるべき優れた教育を行っている授業として,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,ティーチング・アワード表彰 全学に広めるべき優れた教育を行っている授業の受賞科目と決定いたしました。

コメント

 この度は,このような賞をいただくことになり,驚きと共に大変恐縮しております。というのも,今回受賞の対象となった授業は,1年生の必修科目「英語ライティング」であり,特別なことをしているわけでもない,ごく普通の英語の授業だからです。学生からの推薦があったと伺いましたが,なぜこの授業が高く評価してもらえたのかと考えた時に思い至ることは,おそらく受講生が自分のライティング能力が向上したと感じられたからではないか,という点です。私は常々,学生にとって実践的で,かつ受講したことによって英語力が向上したと思ってもらえるような授業設計を心がけています。うまくいく時ばかりではなく,試行錯誤の連続ですが,今回受講した学生に高く評価してもらえたことは,教員としてはこの上なく嬉しいことです。また同時に,身の引き締まる思いでもあります。将来,世界を背負って立つ学生のみなさんの成長に役立つような授業が提供できるよう,これからも努力を続けていく所存です。

 

【本件お問い合わせ先】学務部学務企画課
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