このたび,令和3年度の受賞科目が以下のとおり決定しましたので,お知らせします。

受賞科目

受賞科目
児童心理学A
担当教員
学術研究院教育学域 岡崎 善弘 准教授
選考理由

 この科目は,認知心理学の知見に基づいた授業設計となっており,知識を得るおもしろさと体験による理解促進を兼ね備えた授業となっています。moodle,Sldo, Comment screen,LINE等のデジタルツールを積極的に活用するとともに,学生からのコメントの全てに返信するなどして,オンライン授業でありながらも双方向性の高い授業を展開しています。また,授業資料についても,動画を短時間にまとめる,情報量を制御した見やすいスライドを作成するなど,学修に集中できる工夫がなされており,総じて学生から高い評価を得ています。

 以上の点から,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,令和3年度ティーチング・アワード表彰受賞科目と決定しました。

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 「オンライン授業は対面授業と違う難しさがある…!」対面授業と同じ方法でオンライン授業をしてはダメだと分かり,難易度の高さに頭を抱えました。オンライン授業の方法をインターネットで検索しても役立ちそうな情報は出てきません。「優れたオンライン授業の方法は誰もわからない状況なのか…。対面授業の方法で強引にオンライン授業をするくらいなら,オンライン用の授業方法を新しく作るとか,挑戦した方が良いのかもしれない。」と考え方を変更。時間をかけて作るなら,わかりやすくて,驚きがあって,記憶に残る,楽しい参加型の授業を目指したい(贅沢!)。以前からSNSで話題になっていたアプリを授業に取り入れる等,スマホをフル活用してみたかったので,貯めていたアイデアを遊び心でたくさん取り入れてみました。しばらくすると,「対面授業だった時よりも楽しい授業だった!」「みんなと一緒に授業を受けているような気持ちになれた!」「記憶に残りやすかった!」など,想定していた以上にポジティブな感想がたくさん届くようになりました。「コロナ感染が拡大してどこにも行けない中,児童心理学が唯一の楽しみでした。」という声はとても嬉しかったです。この度の受賞は私にとって大きな意味を持ちます。ティーチングアワードに推薦して下さった学生のみなさま,ありがとうございました!

 

受賞科目
デジタル技術と口腔インプラントによる咬合再建手技実習
担当教員

学術研究院医歯薬学域(歯) 三野 卓哉 助教

歯科(口腔インプラント科部門) 中川 晋輔 助教

学術研究院医歯薬学域(歯) 窪木 拓男  教授

選考理由

 この科目は,コロナ禍で実習が難しいなか,CADソフト,CGソフトを活用した実習方法を開発し,オンラインでも十分に実技を学修できる環境を提供しています。また,デジタル技術の活用は,医療現場の変化に対応するだけでなく,各学生の成果物をデジタルデータとすることで,より精度の高い評価を可能としました。事前に公開される採点基準や教員の作製した見本との比較が可能となったため,学生の理解向上にも貢献しており,学生からも高い評価を得ています。

 以上の点から,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,令和3年度ティーチング・アワード表彰受賞科目と決定しました。

コメント

        

 (左から順に)三野卓哉助教・中川晋輔助教・窪木拓男教授

 この度は学部推薦により栄えある賞をいただき大変誇らしく思います。また,上記の選考理由は,まさにわれわれが本実習の長所と位置付けていた内容であり,その部分をご評価いただけたことは歯科教育を担う者として大変うれしく思います。

 本デジタル実習システムは,歯科専用の三次元ソフトではなく,汎用の三次元ソフトを用いることで,実習内容を教育者がニーズ,用途に合わせて最適化できることも特徴の一つです。今後も刻々と変わり得る歯科界のデジタル化に応じた実習システムを構築し,少しでも歯科教育に貢献できるように精進したいと考えております。

 最後になりましたが,本実習システムの構築に際して多大なるご尽力をいただきましたインサイドフィールドの中野田紳一氏,ならびに学術研究院医歯薬学域インプラント再生補綴学分野,岡山大学病院新医療研究開発センターの関係各位に深甚なる謝意を表します。

受賞科目
上級英語
担当教員
Meiki Susan Mary 講師
選考理由

 この科目は,教員が準備した教材と様々な学習活動が組み合わされています。SDGsに関するテーマでは,国連の実際の資料を参照してCall-to-Actionキャンペーンを作成したり,日本の伝統的手工業製品に関するテーマでは,学術的な情報収集を踏まえてビデオエッセイを作成し,発表するなど,様々な状況で発揮できる英語能力の獲得が目指されています。個人で作成する課題であっても,クラスメイトとのディスカッションを通じて情報交換する機会を設定したり,事前に提示されるルーブリックに基づいた自己評価の機会を設定するなど,質の高い学修のための様々な工夫が見られました。

 以上の点から,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,令和3年度ティーチング・アワード表彰受賞科目と決定しました。

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 I am very happy and proud to receive this teaching award for the recognition of developing an English course that is leading the way in educational reform at Okayama University. I want to thank the selection committee for recognizing this unique course. This Advanced English course (Academic Class -2) concentrated on students’ productive English skills by teaching them the basics of reliable research, academic writing, discussion and self-evaluation skills. Utilizing the importance of the United Nations’ Sustainable Development Goals (SDGs) at Okayama University, students created a Call-to-Action campaign by referring to actual materials from the United Nations and allowing them to be creative by writing a proposal to bring awareness and / or action related to the SDGs and the Okayama student body. Even for individual assignment preparation, students were given opportunities to exchange their ideas through English discussions with classmates, and for self-assessment based on a rubric provided in advance.  At the university level, English language courses should enable students to apply their English knowledge in situations that enable them to learn new, relatable and important topics while stimulating creative thought. Through this Advanced English Academic Class -2, many creative ideas and programs were created by students over the years of teaching this course.

Susan Meiki

受賞科目
医療人のための教養
担当教員
森田 瑞樹 教授
選考理由

 この科目は,複数専攻合同で行う高年次教養科目であり,それまでに学修・経験してきたことを踏まえつつ,医学医療の課題を社会学や哲学,倫理学などと融合させた深い学びの機会となるよう設計されています。オンライン授業であっても,Zoomでのグループワークやチャット機能,moodleのアンケート機能を活用して,双方向性を高める工夫が見られます。また,考えるにあたって必要となる最低限の知識を提供したり,専攻を混ぜたグループ構成になるよう配慮されており,学生が多様な意見,考え方に触れ,自主的に考えられる授業を展開しています。

 以上の点から,他の教員の授業改善の参考となる工夫がなされていると考えられるため,令和3年度ティーチング・アワード表彰受賞科目と決定しました。

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 この度は岡山大学ティーチング・アワードにご選出頂き大変光栄に思います。この講義は医学部保健学科の高年次教養科目(必修)です。この講義の担当を依頼された際,どのような講義にするか非常に悩みました。1年後に医療従事者として社会に出ていく時期に学生たちが学ぶ教養とは何だろう?と時間をかけて考えました。また,与えられた枠は3年生4学期の金曜日夕方。1週間の病院実習などの疲れが溜まった時間枠です。この枠に,約160人の学生が対象の必修科目として開講されます。そこで,低学年で身につけてきた知識を前提として学生が各回のテーマについて考えを深めること,指示に沿って参加していると自然と学びが深まることを狙いとして,Moodleを使ったリアルタイムでのアンケート集計,Zoomチャット,Zoomブレイクアウトルームを取り入れた講義としました。今後もさらに優れた講義を目指して工夫を重ねたいと思います。

 

【本件お問い合わせ先】学務部学務企画課
TEL:086-251-8426 FAX:086-251-8440
daf8424@adm.okayama-u.ac.jp